球場の短所と長所

法規制クリアのため設計上の無理が少なからずあり、以下のようなしわ寄せが来ている。外野スタンドは傾斜が急なのに加えて、スコアボードが最後列よりも大分前に設置されているため、見づらい所や全く見えない所が存在する。バックスクリーンが外野フェンスのすぐ後ろ(数十cmの段差があるだけ)でフェンス最上段に黄色い識別用ラインが引かれているものの、その段差部分に飛び込んだ打球の判別に困難な時がある。2009年(平成21年)に中日のトニ・ブランコがここに当たる打球を放ったが、オーバーフェンスではないという判定になった。これについて落合博満監督が「オーバーフェンスかどうかを識別しやすい構造に変えるべきだ」と報道陣にコメントしている。2010年シーズンからは段差部分に土嚢が置かれ、土嚢に当たったボールの跳ね返りでオーバーフェンスかどうかの判別をしやすい様にしている。2007年(平成19年)に改修されたベイブルーシートエリアを除くと、内外野とも前後の座席間隔が狭いため試合中の離席が困難。


コンコースが狭いため売店やトイレが少なく、試合終了時に通路やゲートがとても混雑する。また、スタジアムが全席禁煙化されてからは、コンコース内やスタジアム外周に張り出して設置された喫煙場所を利用する喫煙者で、コンコース中が混雑している。他にも観客の立場から見て不都合な点も多く、必ずしも快適に観戦できる球場とは言い難い。オープン当初はスコアボード後方の通路で左右の外野スタンドを連絡していたが、トラブル防止のために通路は閉鎖され、完全に分断されたため、ライト側観客席からレフト側観客席、あるいはその逆の移動はできない。その為か、入場ゲートも自由席が有るにも関わらずライト側とレフト側に分けられているので、「こちらは○○ファンの方が並ぶ最後尾です」というプラカードを係員が掲示して案内している。両翼ポール際付近はスタンドのどの位置からも死角になりやすく、例えば一塁側内野席やライト側外野席に座ると、ライト線に打球が行った場合フェアかファウルかが判りづらい。またフェアであっても外野手の打球処理が見えない。

ただし、内野席の外野側の座席をバッテリー間に向けるとこの不具合は避けられないものであり、近年のプロ用の新球場ではこの不具合よりも座席の向きを優先している球場が多い。しかしその一方で、以下の点は他球場と比較して有利とされる。外野側のファウルゾーンが狭く内野スタンドのネットも撤去された事から、観客とプレーする選手との距離が近く感じられ、臨場感が大きい。また試合の前後に、可動式スタンドの中央部から直に選手と握手したりサインを求めたりする事ができる。鉄道路線が三つ(横浜市営地下鉄みなとみらい線・JR根岸線)も通り、いずれも球場から徒歩5分以内の所に駅があるため、都心や横浜市内からのアクセスがよく、延長戦でも比較的安心して観戦できる。球場周辺に、横浜中華街や山下公園など試合の前後に立ち寄れるような観光スポットが多くある。伊勢佐木町などの繁華街が近く、球場周辺にナイター終了後も営業している飲食店が多くある。 ゲーリッグとルースのレリーフ [編集]横浜スタジアムには、外野レフトスタンドのポール際にベーブ・ルースレリーフが、ライトスタンドのポール際にルー・ゲーリッグレリーフがそれぞれ設置されている。


これは、後述の通りルースやゲーリッグというメジャーリーグベースボールの歴史に名を残すスターがこの地でプレーした事を記念するものである。


名球会入り選手のプレート設置
2006年(平成18年)からは、名球会入りしたホエールズベイスターズの選手の名前を入れたボール模様のプレートをライト外野スタンドに設置し、その功績を称えている。配置は右中間からライトポール際に向かって、以下の通り。
「1980.4.23 2000HITS 松原誠」(最終記録2095安打)
「1983.10.21 200WINS 平松政次」(最終記録201勝)
「2000.9.6 2000HITS 駒田徳広」(最終記録2006安打)
「2005.4.14 250SAVES 佐々木主浩」(最終記録381セーブ…日本252セーブ、アメリカ129セーブ)
「2006.5.11 2000HITS 石井琢朗


売店
売店は内野スタンド2階通路と外野スタンド1階に設置されている。高校野球の時は外野席の売店は営業しない(内野席が満席の場合、外野席が開放される。この時内野席から外野席へは移動できるが外野席から内野席への移動はできない)。内野スタンド一塁側にはマクドナルドが、三塁側にはケンタッキーフライドチキンがある。一時期ミスタードーナツもあったが今は撤退。場内で販売されている牛丼は以前は吉野家だったが2001年(平成13年)頃からはなか卯となっている。また、スタジアム内で売られている「みかん氷」が名物となっている。かき氷の上に缶詰のみかんが乗り、その上に缶詰みかんのシロップをかけたもので、一杯300円。大久保博元も推薦している。特に真夏のデーゲームで行われる高校野球神奈川大会の時には、購入までに長時間待たされることもある。2009年(平成21年)までは1,3塁側の内野売店(2004年までは3塁側のみ)での販売であったが、2010年(平成22年)より外野席の売店でも販売するようになった(但し外野の売店は7回頃で閉まってしまうため注意が必要である)。

2007年(平成19年)からは1塁側のみだが、みかんの代わりに缶詰パイナップルとシロップを使った「パイナップル氷」が発売された。一杯350円。崎陽軒シウマイ弁当の掛紙は横浜スタジアムオリジナルの物が使われている。ただし定価の750円より100円高い850円となる。関内駅にある崎陽軒売店では定価で売られているが掛紙は通常。内野席中程の3階には2005年(平成17年)に既存のレストランを改修した「カフェ・ビクトリーコート」が有り、店内にはベイスターズホエールズ)の歴代のユニフォームや優勝ペナント等が飾られている。スタンドの傾斜が激しい事もあり、関東のプロ本拠地球場では唯一、客席での生ビールタンクサーバー売りは実施されていない。売り子からビールを買うと缶ビールをカップに移し替えての販売である。1杯500円。生ビールの販売はコンコースの各種売店や、アサヒビールスタンドのみである。こちらは1杯650円。場内を売り歩いているビールの売り子さんが販売しているおつまみは2種類。マルハの関係からかちくわ、そして地元の美濃屋あられ製造本舗の横濱ビア柿である。いずれも税込み200円。